@ラビリンス
お家から出ましょう
「このっ」
「バカ妹っ!!!!!!!!!」
―――ゴツンッ
突然の激しい痛みと眩しい光がまだ起きていない脳を刺激する。
『〜〜っっ…!』
頭をおさえながら自分に鉄槌を下した主を睨みつける。
「やっと起きたか。」
ベッドの横に腕を組んで偉そうに立っているのは実の兄の珪吾(ケイゴ)。
『殴らなくてもいいじゃない!!』
「お前がいつまで経っても起きねぇからだろ。ほら、今日こそ行くぞ。」
そう言いながら兄はハンガーに掛かったままの服を私に押しつける。
『い、嫌だって言ってるじゃん!!』
何度目の光景だろう。きっと今日のこれをいれて20回目くらい。
「いいや、今日は絶対に連れていく。力づくでも…なっ!!!」
『きゃあ!!!!』
兄はそう言うと私を軽々と抱え上げ、暴れる私を無視して部屋を後にした。