@ラビリンス
学校へ行きましょう
―――バタンッ
そびえ立つ真っ白な建物。何階あるんだ…と毎回思ってしまうほど高い建造物だ。
『はぁ……。』
車から降りた私はため息をついて、先ほどとは違う自分の姿を見つめる。
「なんだよ。似合ってるって、その制服。」
『うるさい。』
そう、私が着ているのは制服。青と黒を基調としたブレザーに白のスカートといったシンプルで若々しいデザインだ。
そして目の前にある建物は学校という施設である。
「さっ、行ってこい。この時間はもう遅刻だろうけどちゃんと勉強してくるんだぞ?」
背中を押す乱暴な手とは真逆に優しい声でそう言う。
『うるさい!バカ兄!』
「ははっ!!コウキにもよろしくな!」
笑いながら手を振る兄に舌を思っきり出して見せたあと、背を向ける。
『はぁ……。』
大きくまたため息をついて学校(仮)へと歩いていった。