リコリスの花
「・・・自分で考えろよ。 瑠奈」

俺はもうない、イトコの名を呼ぶ。

「やす・・ちゃんと答えなさいよ」

俺は鏡を投げた。

「その鏡で自分の顔を見てみろよ」

瑠奈はしげしげと鏡をとり・・・───自分の顔を見た。

苦痛の表情を浮かべていた。

「や、やす。 あんた、あたしに本当の顔を見せたわね?」

瑠奈はもう────。



瑠奈じゃない。



化け物だ。



化け物。 

もう、俺の知っている、瑠奈ではなくなった。



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