語り屋の 語りたる 語り物
この一帯の治安もよろしくなく、
高価なものを身につければ
そのつけてるものから身ごとバッサリともっていかれるし、
奴隷商売はもちろん
薬や暗器なども流通している
無法地帯のような所だ。
「マッダーラとお前らは、
直接コンタクトを取らなくてもよい。
俺に任せとけ。
ただ、その間も気をつけろ。
前からも背後からも
何がくるかわからん。
注意力が命になる。
今宵はよく休め」
そう言った後、当のイーザはすぐに寝入った。
「…大きな肝っ玉だよな本当に」
商人達は顔を見合わせて苦笑し、
ゴロンと寝転がった。
アムスは星空とイーザを見比べ、大きくため息をついた。