語り屋の 語りたる 語り物

マッダーラ






イーザ達は、
日が暗いうちに起きあがり、


奴隷箱の中で
烙印の痛みに耐え切れず死んだ、女子供を幾人か処理した後、


まだ生きている奴隷を、
大きな荷車に次々とぶち込んでいって

馬を北西へと走らせていった。



恐らく太陽が完全に昇る頃には、
「愉楽の断頭街」との異名を持つ
マッダーラのテリトリーに入るだろう。



ここから場所は、かなり近いのだ。



荷車の中の奴隷の呻き声を、背中できき流しながら
方向を確認し、荒野を走っていく。

慣れたものだった。


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