語り屋の 語りたる 語り物



その経緯から、イーザは先刻まで取引をしていた、去勢の奴隷を欲しがる女のところに行く時は、
必ず1人で交渉することにしていた。


ナムの殺人の衝動は、以前よりも収まったものの、
去勢されている奴隷をみると、やはり顔つきが変わる。


できるだけ玄関に近い部屋に通してもらえたが、去勢奴隷に案内されたときもそうだった。


街を出て、次の行き先に向かうなかで、ナムはやっと普段の穏やかな雰囲気を取り戻した。


その間にも次々と号外の伝書鳩がイーザの元に届き、断頭街での最新の情報が入ってきていた。


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