語り屋の 語りたる 語り物


勝者、北の国民の
奴隷商人は

その日も捕虜の選別に眼を血走らせ、

その背中に赤々と烙印を刻み

更に丈夫な鎖で手足を繋いで

奴隷箱にぶち込んでいった。


日が傾き、不気味な夕焼けが辺りを照らし出したころ、

奴隷商人はその日の仕事を終える。


苦痛で呻く奴隷を、何の感慨もなく睨んで、厳重な鍵をかけたあと

彼らはその場の近くで火を焚べ、酒を煽り、肉を貪った。


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