溺愛されました

｢…や、それは、そんなんはええねん!!てゆうか、そこまで嫌か!?なあもう!!お願い!!!フリだけでええねん!!コーチも訂正して!?教え子に手出したのバレたら話ややこしなるから｣


それは本当のことでしょう?と。咲希を拝み倒し、懇願する。


が、フリだけと言いつつ丸め込まれるのは目に見えている。


｢…じゃあ、その代わり、もう付き纏うの、やめてもらっていいですか??はっきり言いますけど、私が好きなのは先輩なんで｣


勇気を振り絞って賭けに出た。


｢なん!?そんなん嫌やって言うてるやん!!｣


｢じゃあ知りません。もう帰ります｣


｢待て待て待て!!｣


こうなったら押し通すしかない。


｢…………じゃあ今日１日の分、１日だけ、構うのやめたる。それでええか｣


意外な提案に驚く。


｢……それなら…｣