溺愛されました

そして、試合は始まった。
トーナメント形式で行い、生徒の試合の後にコーチ同士の1セットだ。


試合は進み、最終決戦。
それぞれみんな、いい試合だったが、やはり、たまこと咲希が闘うことになった。


ピッ!!


ホイッスルが鳴る。
その場の全員、サッカー部も見ていた。


パン!!パン!!パン!!


コートの中で左へ右へ、右へ左へ。前後ろ。


体は小さいが2人とも小回りが利き、なかなか勝負がつかない。


「やるやん!!」


「あなたもね!?」


接戦の末、咲希が打ち込んだボールを打ち返したたまこのボールがネットに当たって落ちた。


息を切らせて咲希も止まる。


「体ちっちゃいと、スタミナ持たんな」


泣きそうになるたまこ。
唇を噛み締め、強がりを言う。


< 31 / 65 >

この作品をシェア

pagetop