溺愛されました
「で、名前、何やったっけ??」
「それも聞いてないんですか??」
ことごとく呆れる校長先生。
「……櫻……咲希…です」
しぶしぶ。
「彼女は、キャプテンです」
「そうなんですか??ラッキー!!」
「だから、何が!?」
「まあまあ、櫻さん、遅刻のペナルティとして、校内の案内、お願いできますか?」
「……う、はい」
じろりと樹荏を睨む咲希。
「なんかごめんなあ??こんな展開になってもて」
急にヘラヘラする樹荏。校長先生の前とは別人だ。
「ここがグラウンドで、向こうの小さい長屋がそれぞれ外の部活の部室です。私たちテニス部はその隣のコートで練習してます」
ひとまず手短に説明する。
「ふ~ん?で?彼氏はいてんの??」
「はい!?」
「せやから、彼氏は、いてんのかって」
「い、い、今そんな話??ていうかあなたに、関係ないですよね!?」