溺愛されました
諏訪の拳が飛んできたが、するりと交わすとボディブローを入れる。
「ぐはっ…」
諏訪は崩れて気を失った。
「もしもし?どちらさんか存じませんけど話終わりましたんで。きっちり、音録らしてもらいましたんで、後はよろしゅうに」
言うと通話が切れた。
「まあ、そういうことですわ」
驚いてそれぞれの部屋から出てきた親子。祖母は既に別室で休んでいた。
父にスマホを渡すと、
「気いつけなあきまへんで。大事なお嬢さんなんですから。おおよそ、事情の見当は付きますけどね」
「…まさか、諏訪くんが、そんな」
「会社経営なんて簡単なもんと違いますやろ。この人かていろいろあるんでしょ。ま、悪さしてええ理由にはなりませんけど」