溺愛されました
「いちいち片意地で大変な子やなあ。ええやんか別に減るもんやなし」
「てゆうか私、あなたみたいな人、嫌いですから!!構わないでください!!」
「ほんなら次いこか、部室見てええか」
まったく堪えない。ため息をつく咲希。
部室に向かう途中でお昼のチャイムが鳴った。
「じゃあ私、一旦教室に戻りますのでこれで。あとは適当にどうぞ」
後退りながら去ろうとする。
「何や、部室見せてくれへんのかいな。まあ、後で見るわ。俺も飯いこ。ほな」
ようやく解放される!!咲希は内心小躍りしながら正面玄関に向かう。
「あれ??咲希。どうしたの??こんな時間にジャージで」
「な、鳴瀬先輩」
咲樹も憧れる鳴瀬佑哉は3年で、サッカー部キャプテン。ひと言で現せばイケメン。
高身長で爽やかで、モデルにいそうな整った顔立ち。去年関東から転校してきていきなりトップの成績に躍り出た。
文武両道、容姿端麗の学校始まって以来のイケメンだと噂だ。