溺愛されました
「よ、呼んだって、誰が??」
「俺や。けどまさか、大阪からチャリで来よったんか、その様子では」
さすがに守村が呆れる。
「え"~~~っ」
「えっ!?えっと?どうやって!?」
「橋、渡ってに決まってるやんけ。便利になったなあ」
「いや、便利って、フェリーとか、高速バスとか」
「免許持ってましたよね??」
「まどろっこしいねん!!チャリで充分や!!」
確かに、乗るまでと乗ってからの足がない。
車ならできるがそんな考えは元よりない。
「先代のチャリが壊(メゲ)てもうたから、新品(サラ)買うのに親父の仕事死ぬほど手伝うて、昨日届いたばっかりや!!めちゃくちゃエラかったわ!!」
「ロードバイクも下手したら中古車、買えるもんな」
「えっ!?そんなにするんですか!?」
「何時間掛かったんですか!?」
「7時間??8時間??覚えてへんわ!!朝から漕ぎっぱなしや!!そんなことより、臨時でコーチがいるっちゅうんはホンマか徳兄!?」
「えっ!?そうなんですか!?」