無糖バニラ
確かに学校のすぐそばだったけど。

周りに校内の人がいるなんて全然気が付かなかった。

傘を深く差されすぎて、前方ですら見えにくかったし。


あれがあたしだなんてバレたら、とんでもないことになる。


痒くもないのに、しきりに腕を触ってしまう。


詳しく聞きたいけど、怖くて声が出ない。
そんな気持ちを察してくれたように、


「それってさ、芦沢くんを見た隣のクラスの子は、女の子の顔まで見なかったわけ?」


仁奈がアイリに問う。

め、女神……!
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