無糖バニラ
「俺だけを見てろ」
*
そして、迎えた日曜日の朝。
行き先は、小嶋くんの提案でスケート場になった。
夏だから涼しい場所に行きたいという理由らしいけど、涼しいというよりも多分中は寒いだろう。
スケート場で着替えられるように、タイツや上着なんかを大きめのバッグに用意して、家を出た。
外は青空。
すでに空気が暖まっていて、早速汗がにじんでくる。
腕は、おなじみの長袖。
汗でくっ付いているのを見られたら、恥ずかしいな……。
待ち合わせは、最寄り駅に10時。
いつものあたしなら、翼を待って一緒に行きたがるところだけど……。
隣の家をじーっと見て、顔が熱くなって目を伏せた。
あたし、ちょっと変。