無糖バニラ
「……バカ」




「さぁー、このはちゃん?説明してもらいましょうか」


週明けの学校。
あたしは朝のホームルームが始まる前から仁奈と、誰もいない屋上に来ていた。

あたしは現在、屋上を囲む柵に背を向け、目の前の仁奈から詰め寄られている。


後ろを振り向けば、真下に校庭が見えて、足がすくみそう。


「何であの1日で小嶋くんの方と付き合うことになるわけ?あんた、どっちかって言うと芦沢くんといい感じだったじゃん」

「全然いい感じじゃないよ……」


確かにあたしも、スケートをサポートしてくれている間は、そばにいることに幸せを感じていたけど。


「てか、いい感じかどうかとかはどうでもいいんだけど」


どうでもいいんだ。


「このはは、芦沢くんが好きなんじゃないの?」
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