無糖バニラ
小嶋くんは、休み時間のたびに積極的にあたしの元へやって来ては、他愛もない雑談を繰り返した。
「でさ、昨日兄貴とチャンネル争いしてさ、あいつ部屋にテレビあるんだからそっちいけって思うんだけど」
「小嶋くん、お兄さんいるんだね」
「4つも違うから、もう大学生だけどね」
「そうなんだ」
「よかったら今度見に来る?」
「えっ……」
「あ、いや、変な意味じゃなく……」
「……うん、分かってる」
少し変な空気になって、視線を動かしてみると、相変わらず翼の周りは女子がいっぱい。