無糖バニラ
「高校も近いしねぇ。いつかは女の子も来るとは思ったけど。もう翼に店番やらせるのやめたほうがいいかな」


翼ママは、唇をとがらせて眉を寄せる。


「そんなんで、この店回るのかよ」

「難しいわね」


うーん。と、ますます眉を寄せる翼ママが、あたしを見る。


「このはちゃん、バイトしない?」

「えっ」


思わぬ提案に一瞬驚くけれど、普通に今までやっていたことだし。と、すぐに思い直す。


「うん、あたしは大丈夫」

「ダメだ」


ほぼ被せるように翼に拒否をされた。
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