無糖バニラ
「絶交?」

「ぜ、絶交は嘘!それなんにも嬉しくないし!会えないのとか無理だから!嘘だからね、違うからね!」


必死になって顔の前で手をパタパタさせていたら、翼がフッと笑った。


「絶交って。ガキかよ」

「だから、嘘だから!ぜ、絶交しないでよ!……し、しないよね?」

「立場逆じゃん」

「あっ、本当だ。……じゃなくて!」


翼がずっとクスクス笑っている。

こんなの、いつぶりだろう。

ずっと見ていたい。

なのに、こんなタイミングでまた昨日のキスを思い出してしまって。

ボッと火がつくように赤くなった顔を悟られたくなくて、わざと背中を向けた。
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