無糖バニラ
ろくな返しも出来ずにいたあたしを、小嶋くんは笑顔で許した。


「じゃあ……、突然ごめん。また明日、学校で」

「うん……」


小嶋くんは、走り去っていった。

後ろ姿が小さくなって、見えなくなるまで見送る。


あたし、今……告白された。

生まれて初めて。


ついさっきまで翼のことで頭がいっぱいだったのに、今ではもう、小嶋くんの笑顔が脳内でぐるぐる回っている。


返事、考えてって……、どうしたら――


「おい」

「ひゃあ!?」
< 42 / 461 >

この作品をシェア

pagetop