クールな先輩への溺愛宣言!!
「どうしたの?ぼーっと突っ立って」

後ろから声をかけられて、ハッと我に返った。

振り向くとそこには千尋先輩が大きな目で僕を見ている。


「千尋・・・先輩」

「なに?そんな真剣な顔で私を見て」

そう言って千尋先輩はフフッと笑った。

その笑みが僕の心を激しく高鳴らせる。


――その笑みを消したくない。

その笑みを、僕の隣で、ずっと浮かべていて欲しい――



僕は先輩の腕を掴んで、歩き出した。

「ちょ、ちょっと!」

「来てください、話があるんです」


僕は、人のいない弓道場の裏へと千尋先輩を連れて行った。

千尋先輩は困惑した表情を浮かべて何か言っていたけど、僕は気にせずに歩く。





弓道場の裏は日陰で、人の気配は全く感じられない。

僕は逃げないように千尋先輩を弓道場の壁に寄りかからせ、その前に立つ。


先輩の不安そうな瞳が、僕を見つめて揺らいでいるのが分かった。

だけど、その顔も、瞳も、僕の心を高鳴らせる。


――好きだ。千尋先輩が、・・・好きなんだ――

そんな想いが、全身から溢れていく。



不安なその表情も、涙を浮かべて潤ませていたその瞳も。

全て、全て、僕が変えてあげる。


いつも笑っていられるように。

幸せだよって言ってくれるように。


その為なら、僕はなんだってするよ。




「・・・先輩、聞いてください」

何とか理性を保ちながら、僕はそう口にした。
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