クールな先輩への溺愛宣言!!
―――そこから少し、無言の時間が流れる。

そう言ったはいいものの、いざとなったら言葉がなかなか出てこない。

心臓の激しい音ばかりがうるさく響いて、千尋先輩を見つめたまま固まってしまった。


言わなきゃ!
僕の気持ちをちゃんと伝えないと!

強引にこんな所まで先輩を連れて来てしまったのに。

ここで言えずに逃げてしまったら、何も始まらないじゃないか!


そう心の中では思っているのに、緊張して口が思うように動かない。


ああもう。
どうしてこんなに僕はヘタレなんだろう。


肝心の場面で格好悪い自分に、苛立ってしまう。




そんな僕を見て、先輩の困惑した表情が崩れた。


「なんか緊張してる?表情が固いよ?」

「・・・そ、そうですか?」

「リラックスして。余程大事な話なのね」


そう言って僕の両肩をポンポンと、軽く叩いた。

「君のダメな所ね、緊張すると身体中に力が入っちゃう。それじゃ的に当てたくても当たらないわ?緊張しているからこそ、リラックスしなきゃ」

先輩は僕に微笑みながら僕を見つめた。


触れた肩から、熱が帯びる。

そして自然と勇気が湧いてくる。




僕は目を閉じ深呼吸をすると、姿勢を正し真っ直ぐに先輩を見据えた。

そして、こう言った。


「千尋先輩、僕は先輩のことが好きです」
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