クールな先輩への溺愛宣言!!
「先輩、デートしませんか?」
とある金曜日の帰り道、僕は意を決して言った。
「良いわよ。で、どこへ行く予定なの?」
「どこがいいですか?僕は、先輩が行きたいところなら、どこでも良いですよ」
「そうね・・・。和くんの家なんてどう?」
少し考えてから、先輩はそう言った。
先輩が僕の家に・・・。
ちょっとした妄想を膨らませながらも、何とか平常心を装った。
「僕の家ですか?遊園地とか動物園とかじゃなくて?」
「和くん、猫飼ってるでしょ」
確かに、僕の家は猫を飼っている。
いつも家のどこかに隠れたりしていることが多いけど。
でも先輩、なんで分かったんだろう。
話したことあったっけ?
「制服に猫の毛が付いていたのよ。私、猫が好きなの。だから和くんの家の猫が見てみたいな。ダメ?」
先輩、猫が好きなんだ。
先輩の目的が猫なのを知って、妄想を膨らませていた自分が馬鹿に思えてくる。
「なら、こうしませんか?猫カフェに行った後、僕の家に来る。猫尽くしです」
「良いわね、それ。明後日なんてどう?丁度部活も休みだし」
嬉しそうにする先輩を見ると、こっちまで嬉しくなってくる。
「はい!」
「なら決まりね」
そんな話をしていたら、分かれ道についてしまった。
でも、明日も明後日も先輩に会える。
そう思うと、不思議と寂しいとは思わなかった。
むしろ、楽しみだ。
「じゃあ先輩、また明日」
笑顔でそういうと、先輩に背を向けた。
「・・・和くん!」
不意に先輩に呼ばれて僕は振り返った。
「え?」
僕の制服を握りしめ、ほんの少し踵を浮かせる。
先輩の柔らかい唇が、僕の唇を捕らえた。
たった一瞬のことに、驚かされる。
「ふふっ」
「な、なっ!先輩!?」
「私がしたくなっただけよ。また明日ね、和くん」
不意打ちなんてズルい。
言っていることは余裕がある感じだが、先輩の頬は暗がりでもわかるくらい真っ赤だった。
「は、反則だ・・・」