クールな先輩への溺愛宣言!!
そして日曜日、僕達は駅前でお昼時に待ち合わせをした。
待ち合わせ時間の20分前、少し早く来すぎたかな、なんて思いながらスマホを弄った。
すると、足元に可愛らしい紺色のパンプスが覗いた。
はっとして視線を上に向けると、私服姿の先輩が立っていた。
待ち合わせの10分前だ。
「和くん、待った?」
なんてお決まりの言葉に喜びを感じた。
「全然、全然待ってない、です!」
「ふふっ、変な和くん」
清楚な服装はデートらしくて、凄く似合っている。
今日の為に選んでくれたんだよね。
そう思うと、嬉しさは倍増する。
「行こっか」
「はい。あ、予定追加なんですけど、最初に映画見ませんか?」
「今日のプランは和くんにお任せします。映画って何見るの?」
「実は、真司・・・僕の親友にチケット貰ったんですよ。【永遠の薔薇】っていうんですけど、先輩知ってますか?」
「知らない」と先輩は首を横に振った。
昨日、部活帰りに真司から連絡が来て「今すぐうちに来い」と言われたのですぐに行った。
そうしたら、この映画のチケットを2枚渡された。
どうやら、先輩とデートに行くことを知っていたみたいだ。
どこから情報を得たのか知らないけど。
そんなこんなで映画館に入ると、ドリンクやポップコーンを買って指定の席へと並んで座った。
映画の序盤はまだ良かったものの、中盤が予想外の展開過ぎて、映画を出たあと恥ずかしくて先輩の顔を見れなかった。
先輩は真面目に見ていたみたいだけど。
「か、過激すぎた」
「過激なアクションで凄かったわね」
違うんだ、先輩。
僕が言っている過激ってのは、別のシーン
のことなんだよ・・・。
ベッドのアレです。
なんて言えない。
真司のやつ、絶対分かっててこのチケット渡してきたんだな。
漫画の中のデートみたいに、手が当たってドキッとする展開はどこにいったんだ。
そんな淡い期待は実らず、あっという間に映画は終わってしまった。