ガーディアンズッ☆彡


「……ふしだらな格好に見えるとか?」


「い、いや、そういうわけでは」



そ〜っと上目遣いに訊けば、ユキちゃんは声を詰まらせながら顔を背ける。


まあ、これでふしだらだとか、ハレンチだとか言われても困るだけだ。


だってあたしが持ってる部屋着は、大体がこういう感じだから。


そもそも3年間もここで一緒に暮らすなら、そんなことを言ってはいられない。


まぁ、一ヶ月もすればみんな慣れるよね。


ひとりそう納得し、あたしは日向の手を引いて歩き出す。



「おい、どこ行くんだよ」


「え、どこって部屋に戻るだけだけど」


「いや戻るんじゃねぇよ。いろいろ話しあわねぇといけないことがあるだろうが」



え、そうなの?


キョトンとするあたしに、恭也は呆れたように宙を仰いで頭を左右に振った。



「こいつにリーダー任せて大丈夫なのかよ、俺たち」


「まあまあ、まだ初日じゃないか」



日向は早くも自分で立っていることが嫌になったのか、自らあたしに登りはじめる。


甘えん坊日向。コアラみたい。


でもさすがに今日ひっきりなしに日向を抱きあげていたからか、普段使わない筋肉が微妙に悲鳴をあげている。


これは久しぶりの筋肉痛コースかも……。



「で、話って?」


「あれ、カノちゃんメールみてない?」



メール?とは?


なんのことやらと首を捻るあたしに、柚くんは「えっとねー」とポケットからなにやら電子カードのようなものを取り出した。



「これ、柚くんの?」


「んーよくわかんない。部屋のクローゼットのなか見なかった?そこにガーディアンセットっていうのが入ってて、これもその一部だよ。カノちゃんもあるはず」



へえ、そんなものが。


さっきは日向のことで頭がいっぱいだったから、部屋の隅々まで気が回らなかった。


薄さ2ミリ程でよくあるカードと同じ大きさのそれは向こうが僅かに透ける半透明。


ブレザーに付いていたエンブレムと同じものが映り込んでおり、その中には『 g 』と書かれていた。


Guardianの"g"だろうか。


不思議に思いながらそれを受け取ると、柚くんがトンッとその画面をタッチ。


するとそこから空中にモニターが表示され、パソコンのホーム画面が開かれる。
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