ガーディアンズッ☆彡
「……ところで、律くんは?」
ふと、気づく。律くんがいない。
きょろきょろと辺りを見回すと、廊下の向こうの方から、タイミングよく律くんが歩いてくるのが見えた。
……それも、数人の男子を両腕にえっさこいさと抱えながら。
「り、律、くん?」
なんなのその男子俵担ぎ祭りみたいな状態は。
「……マッチョマンかよ」
「せめて筋肉マンといってくれ、恭也。律は別にマッチョじゃねえから」
いや、筋肉マンもマッチョマンもたいして変わらないと思うんだけど……?
呆然とする恭也に、軽くツッコミをいれたユキちゃんが呆れたように肩をすくめる。
それからふたたび律くんへ、そして頭上の男子勢へ目を向ける。
「みんな目ぇ回してんじゃねえか」
「……暴れたから」
「殴ったのか?」
「……いや、催眠術で」
さ、催眠術!? 出た律くんの非科学能力!
「律はたぶん僕らの中で一番人間離れしてるからねえ。これが、すごいんだ~。一回寝ちゃうと3時間は起きないの。寝不足とかの時、ちょーオススメだよっ」
柚くんが相変わらずなテンションで和気あいあいと説明してくれるけれど、そんな簡単に納得出来るようなものじゃない。
「俺のことはいい。……花乃香、こいつら規約違反起こしたやつだから後処理頼む」
「え、あ、わ、わかった!」
どさっと男子勢を乱暴に床に放り投げ、淡々と端からひとりひとり説明していく律くんに、あたしは慌てて日向をおろしPCを開く。