ガーディアンズッ☆彡
心のなかで自分にうなずき、あたしはなに食わぬ顔で足をふみだした。
熱い視線を送ってくる生徒たちの間を通り抜け、足音ひとつ立てずに壇上へ。
胸を張り、堂々と前を向いて。
順調。
……だと思っていたのに。
──それは、とつぜんのことだった。
ステージの階段をあがりきり、『さあ主役の場ですぞ!』と言わんばかりにスポットライトが降りそそぐステージ中央へと辿りつく寸前……。
ズルッ!!
「うぎゃっ」
あたしはとうとつに宙を舞っていた。
……もとい、足を滑らせた。
某テレビアニメのすっ転びシーンよろしく、キレイに弧を描いてひっくり返る。
自分でもビックリするほど可愛げのない声をあげながらも、そのまま素直に転んでやるほど落ちぶれてはない。
空中でとっさに体をひねり、そのまま遠心力を使って右足を高く振り上げ───
「よっ、と!」
後頭部を床に強打する前に、なんとか空中逆だち状態へと体勢を持ちこんだ。
でもさすがにこれ以上は回れないと判断して、一度床に手をつき、今度は腕力を使って垂直に跳ねあがる。
勢いに任せて体勢を整えながら、宙でくるっと一回転。
──タンッ!
最後は華麗に着地を決めてみせた。
「っぶなぁ……」
ふう、と安堵の息を吐いて、床についてしまった手をパンパンと払う。
まあ完璧とまではいかないけれど、とっさの反応にしては良い方だっただろう。