ガーディアンズッ☆彡


……それにしても、あたしはいったいなにに滑ったの?


革を通してでも伝わってくる足裏の嫌な感触。


恐る恐るふくらはぎを持ち上げ靴の裏を確認し、あたしは「うげぇ」と顔を歪ませた。



「なにこれ」



靴の裏にべっちょりと張り付いていたのは、一見スライムのように見える透明なジェル状のなにか。


見るだけでも気持ちの悪い粘着性のそれを取ろうと奮闘し、やっとのことで取り除き終わった直後――あたしはハッと我に返る。



「あ、はは……」



……もしかしてあたし、やっちゃった?


今の大道芸のような一連をしっかりと見ていただろう生徒たちは、ぽかんと口をあけたまま静止していた。


いや、そんなに驚かなくても……。


揃いも揃って藪から棒の表情を羅列する生徒たちに、もっと面白い反応をするやつはいないのかと心の中でツッコんだ。


というか、あたしもあたしだ。


代表挨拶でとつぜん大道芸を披露したところでウケるわけもない。


……ううん、おかしいなぁ。


立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花――系おとしとやか女子でいく予定だったのに。
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