ガーディアンズッ☆彡
「……なに、すの?」
「このキッチン意外といろいろ揃ってるから、なんか作ろうかなあって思って。日向、食べたいものある?」
膝を折り、目線を合わせながら尋ねると、日向はキョトンと首をかしげて目をぱちくりさせた。
しばらく考えたあと、その小さい手を顔の前に持ち上げ、悩みながら両手でまるを作ってみせる。
「……ぼく、ね。あかいの」
「あ、赤いの?」
「……まあるいの」
赤くてまるいの……ってトマト?
それともリンゴかな?
あたしは冷蔵庫の食材からトマトとリンゴを探し出して、日向の前に持ってくる。
「これとこれ?」
「……? ……こち?」
そう言ってあいまいにリンゴを指さした日向。
食べ物の名前をよく知らないのか、それとも発音が苦手なのか「り……ご」と舌ったらずに繰りかえす。
しきりに首をかしげて不思議そうな顔をする日向に、なんだかおかしくなってきたあたしは、思わずぷっと笑ってしまった。
うーん、日向って謎だらけだな。
そんなことを考えたあとで、そういえばみんなの事もまだなにも知らないや、と思い直す。
「……よし!」
腕まくりをして、ヘアゴムで長い髪を頭の後ろで束ねる。
みんなとのお近づきの印に、日向の好きなリンゴでアップルパイでも作ろう。
材料は一通り揃っているみたいだし、料理ならそれなりに自信がある。
不思議そうなしてこちらを見つめる日向をカウンターの椅子に座らせて、あたしは早速アップルパイ作りへと取り掛かった。