ガーディアンズッ☆彡
「日向がリンゴ好きだっていうから、アップルパイ焼いてみたの」
「すっごーい! 僕も! 僕も食べたいっ!!」
「もちろん。いま切るから待っててね」
手早くアップルパイを8等分に切り分けると、熱の入ったりんごの果汁がじゅわっとあふれ出てきた。
うん、美味しそうに出来てるかな。
目をらんらんとさせている柚くんと待ちきれない様子の日向に、とりあえず手を洗わせるユキちゃんは相変わらずお母さんだ。
ほかのみんなもダイニングテーブルへと集め、お茶の時間にする。
ちなみにお供は〝紅茶のシャンパン〟とも言われているダージリン。
王室御用達のイギリス産茶葉があったのは驚いたけど、ダージリン特有の芳醇な香りは甘いアップルパイにぴったりだろう。
「……美味い」
「ほんと〜! これ美味しいよ、カノちゃん!」
ひとくち食べた柚くんの顔が幸せそうに破顔した。
律くんの表情の変化は相変わらず少なかったけれど、にわかに目元が緩んでいるように見えて、あたしはホッと胸をなで下ろす。
「すごいなぁ、姫ちゃん。あっという間にアップルパイなんて作っちまって」
「ここに来る前は一人暮らししてたからね。料理は多少」
感心したように首を振るユキちゃんに紅茶のお代わりをついであげてから、あたしはちらりと恭也へ視線をむける。