ガーディアンズッ☆彡
「ま、そういうわけだから、あとは寮に用意してあるお前たち専用の小型PCで自習しておいてくれ。ルールブックも読み込んでおいたほうがいいぞ」
先生のクセにどこか投げやりななっちゃんに、急に力が抜けてあたしは肩を落とす。
国家機密学園の厄介なところは、この学園の真実を知る人がいないという点かもしれない。
教師ですらわからないことだらけなこの状況は、まるで手のひらの上で踊らされている気分だ。
「それから……日向はこれからどうする? 自分の屋敷に帰るか、こいつらと寮に入るか。日向も、自分で決めていいって言われてるんだよな?」
よいしょ、と目線を合わせるようにしゃがみこんで、なっちゃんは出来る限り優しく尋ねる。
すると日向はまたたくまに両目に溢れんばかりの涙を浮かべ、あたしにぎゅうっと抱き着いて顔を埋めてしまった。
あはは……相変わらず先生とは喋らないんだね。
ガーンッとあからさまにショックを受けている先生をユキちゃんが慰める。
あたしは日向の頭を撫でながら、優しく声をかけた。
「日向、どうする? あたしと来る?」
「……カノカ、いっしょ」
それはつまり、あたし達と一緒に来るってことでいいのかな?
「オーケー、了解。じゃあ姫咲、あとのことは頼んだぞ」
「え、あたし?」
「日向のことは俺から伝えておくから」
いやいやいや、ちょっと待って。
あたしはベビーシッターですか。
いいけど。
可愛いから全然いいけど!
そういうことじゃない。
その先生らしからぬ言葉と態度と生徒に対する扱いは、いろいろと宜しくないと思うんだけどどうだろう。