孤独少女~Kiss Me~
「元ちゃん!!」



私からタッパーを取り上げ、メモを呼んだ愛陽さん。



「先、やられたな……」



喜多見と愛陽さんが来たのは、私の母親と会う為だった。

しかし、先を読んでたように、消えてしまった母親。

冷蔵庫の冷気を浴びながら、私は泣く事もなく、ただ呆然とするしかなかった。



「相田と、白井-シライ-ん家に行って来る」



「……ちょっと待って。同じ親として、一言言わせてーや」



「しかし……」



「黙ってられるような人間ちゃうって、元ちゃんならわかるやろ!!」



私の頭上で繰り広げられる会話に、参加する事も出来ない。

喜多見の車に乗せられ、陽妃ちゃんを悠陽さんに預け、相田を迎えに行ってから、愛純の家へ。

以前、私たち4人で住んでた一軒家ではなく、マンションに移り住んでたらしく、玄関前で私は地獄に落とされた気分になった。

Shirai Makoto
       Hazuki
       azumi
と、 下げられた表札。

母親の名前がある。

そして、私の名前はない。

エントランスでオートロック解錠がされた為、玄関もすぐに開けられた。
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