孤独少女~Kiss Me~
Vol.3
「んぅ……、誰か来る……っ!」
「喋んな。誘ったのはお前やろ」
「もっ……!!」
私たちしか居ない教室。
ラッシュ前の電車での通学を、未だに続ける私。
一番に出勤し、全教室の鍵を開ける当番だったらしい相田と会い、鍵を開けてくれた瞬間に掴んでしまった相田の腕。
確かに、せがんだのは私。
だけど、こんな予定ではなかった。
「ちょっ……!!」
「声出すな」
「ん――っ!?」
教卓に押し倒され、口を塞がれる。
首筋に這う相田の舌。
鎖骨に吸い付いた唇。
「……悪い。やり過ぎた」
しかし、急に解放され、襟元を直しながら首を振る。
何故、止めたのか。
だって、私が誘ったからキスに応じてくれたんやろ?
ここが教室だから?
それとも、他に理由があるの……?
チクリと痛んだ胸。
私は教卓から降りて、教室を出ようとした相田の紺色のカーディガンを掴んだ。
振り返った相田の頬に手を宛がい、背伸びしてキス。
リップノイズを起てながら唇を離す。
「どうした」
「何でかわからんけど、こうしな……もう、出来んようになるかと思って……」
私から仕向けなければ、相田は私に触れなくなるかも知れないと。