孤独少女~Kiss Me~
これでも3年間、あいつの生徒としてそれなりに見て来た。

相田に逆上せた事はないし、冷静に見て来たからわかるような気がする。



「何で……やろ」



「陸?」



「今、相田にイラッとした。いや、そん前からずっとしてた。俺より愛李に近い相田に嫉妬する」



「何言うてんの……!?」



私の腕を、弱々しく掴む陸。

力加減は陸の優しさによるもの。

しかし、男らしい目付きに恐怖すら感じた。



「なあ、一度だけ俺の頼み聞いてや」



「た、頼み……?」



「諦めるから。愛李と幼なじみとしてだけ生きてくから、キスしてえーか?」



「何でそんな……。普通に考えて、おかしいやろ。何しにそんな……」



「お前が好きやからやろ!」



「何、言うてんの……?ちょっと、ヤダ!止めてっ!!」



動揺する心。

逃げる身体。

しかし、男の力に敵わない。

…もう、ダメや……。



「ちょっ!何してん!愛李が嫌がってるやろ!」



「……っ……」



でも、梢に助けられ、私は自分の身体を抱き締めながらしゃがみ込んだ。
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