孤独少女~Kiss Me~
「わかったか!これが女子の気持ちや!てめぇみたいな自己中野郎にはわからんやろな!!」



「いちいち、叫くな!」


喜多見に最早、捕獲されてる梢は、部屋の隅に追い遣られる。



「福山。いくら自分を大人と思い込む世代でも、やっぱ女子は女子や。千葉に謝って、デリケートな問題やし、これでもう終わろうや」



「……愛李。ごめん」



「……うん」



「喜多見先生。福山には、口頭注意という事で良いですか?」



「担任は相田先生。最終判断は任せる」



陸が謝った事もあり、話し合いは終了。

退室した陸を見送り、梢を解放した喜多見。



「悪いが、砧には反省文を書かせる」



「何でやねん!私は愛李を助けようとしただけやん!殴ってへんし、殴ってても過剰防衛やろ!」



「アホか!殴ったら退学に決まってるやろ!他の先生が目ぇ付けてんのわからんのか」



「ハッ!それが何や!ぶちのめたらぁ!」



「えーから書けよ」


「……しゃーないな」



喜多見では効力がないものの、相田に言われた梢は、素直に従った。

作文用紙と鉛筆を受け取った梢は、スラスラと書いて行く。
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