孤独少女~Kiss Me~
・喧嘩
「何や、この冷蔵庫;;」
「何が?」
「見掛けによらず、綺麗」
「それは翔希が散らかすから」
入籍から1ヶ月。
陽妃ちゃんと皇元君が喜多見の実家に誘拐(お泊まり)らしく、愛陽さんと2人でやって来た。
偶然にも、タイミング良く喜多見邸から徒歩10分の高層マンションが中古ながら売り出されて、先週引っ越して来た為、引越祝いも兼ねて来てくれた。
中古と言っても築2年。
部屋も綺麗。
家具もまだ少ないけど、新品の冷蔵庫からビールを取り出すついでに、野菜室や冷凍庫を開けてる喜多見。
お肉などを小分けにフリーザーバックに入れてるけど、綺麗にしてるのは、私がきっちりとしてるってわけではない。
私は週3日、近所の内科で受付の仕事を始めた。
シフトは13時から18時。
だいたいは夕食の準備をして出掛けるけど、翔希が早い日は晩ご飯を作ってくれる。
けど、その後の片付けが大変だった。
それで私は、2人分ずつ小分けにして保存したりしてる。
「相田先生も見掛けによらずやな;;」
私の説明に、喜多見は失笑。
喜多見の気持ちはわかる。
服装とかちゃんとしてたもん。
だけど、実際はねぇ……;;