孤独少女~Kiss Me~
「愛陽さんて、訊くんですか?」



「訊かなさそう?」



「いや、“訊いたらヤキモチ妬くから訊かない!”ってタイプかと」



「そうなんやけどねー?さっきの相田君やないけど、元ちゃんもポロッポロとところどころに言うから、何や気になってしゃーないねんな。せやったらもう訊こうと思うて、訊いてしまうねん」



「妄想で妬かれるよりえーで。ほかっとくと、すぐムッとしてキィーッてなって。殴られる。話すと気が楽やで」



…それはそうやな;;



「話してえーよ?(笑)」



「くだらん話しかない」



私が笑顔で言っても、翔希は話す気はないらしく、焼酎の入ったグラスを手に、キッチンに行ってしまった。

勝手口から、小さいベランダに出て、煙草でも吸うんだろう。



「口、固いな。相田君」



「違うんですよ。初恋の人と結ばれなくて、女遊びしてたから、昔の気持ちに帰りそうで嫌なんでしょうね。初恋の人は翔希のお兄さんと10年以上前から付き合ってるし、翔希は翔希で私と結婚したから、自分でセーブしてるんだと思います」




「ちょっと考え過ぎてないか?千葉が言ったようなら引き摺ってるみたいやん。それやったら、気持ちが少しでもある相手と結婚するわけない。結婚生活が続いても破綻しても、苦しい」



…現に引き摺ってるから、言わんのやろ?
< 74 / 79 >

この作品をシェア

pagetop