プリズム!
夏樹が玄関の扉をそっと開けると、部活帰りの雅耶がそこには立っていた。

「オッス。ちょこっと久し振りっ」


約一週間ぶりに見る、穏やかな笑顔の雅耶に。

「雅耶…」

夏樹もつられるように微笑みを浮かべた。

そこへ、後ろから清香がひょっこりと顔を出す。

「…あれ?清香(ねえ)…?来てたんだ?」

意外な人物の登場に驚いている雅耶に。

「雅耶、お帰りっ。でも丁度良かったわ。私は帰る所だったのよ。夏樹ちゃんをお願いね♪」

そう言うと、物言いたげに見詰めてくる夏樹に笑顔を向けた。

「また、来るわね。とりあえず明日から頑張って!何かあったらメールででも何でも連絡してくれれば、いつでも相談に乗るから」

そう言うと、清香は早々に夏樹の家を後にした。


「…清香姉に何か相談乗って貰ってたの?」

帰って行く清香の後ろ姿を眺めながら聞いて来る雅耶に。

「あ…うん。制服を…ね…」

「制服…?」

「その…、新しい制服さ…どこかおかしくないかなって見て貰ったんだ」

何故だか恥ずかしそうにそんなことを言う夏樹に「?」を飛ばしていた雅耶だったが、ふと夏樹の後ろに視線が行くと思わず目を見張った。

部屋の奥、ハンガーに掛けてある制服が目に入ったのだ。

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