プリズム!
大きな瞳でこちらを見上げてくる夏樹。
でも、その瞳からはもう涙は溢れていなかった。
夏樹は手の甲でゴシゴシと涙を拭っている。
そんなに擦ったら、真っ赤になっちゃうんじゃないか?と、心配になる位に。
(でも、気持ちの切り替えが早いのも、昔からの夏樹の良い所…だよな)
そんな素直な所も、その媚びない仕草さえも愛おしくて仕方がない。
雅耶は、ゆっくりと移動すると夏樹が腰掛けている花壇に少し間を開けて並ぶように座った。
「俺はさ、お前が決めたことなら…。お前がずっと男のままでも傍に居られればそれで良いと思ってたんだ。勿論、お前がそれを許してくれれば…の話だけどな?」
「駄目なんて…いうワケないよ…」
夏樹は、膝の上に置いてあったマスコットを再び両手に大事そうに包み込むと、小さな声で呟いた。
それを横目に見ていた雅耶は、「そっか。サンキューな」と微笑みを浮かべた。
「でもさ、あのまま…ずっと『冬樹』のままで、お前が寂しい思いをし続けるのは俺もイヤだったし、何より、本当に冬樹が無事に生きていてくれて良かったよな?夏樹だって嬉しかっただろう?」
同意を求めると、夏樹も僅かに顔を上げてこちらを向くと「うん…」と、小さく頷いた。
でも、その瞳からはもう涙は溢れていなかった。
夏樹は手の甲でゴシゴシと涙を拭っている。
そんなに擦ったら、真っ赤になっちゃうんじゃないか?と、心配になる位に。
(でも、気持ちの切り替えが早いのも、昔からの夏樹の良い所…だよな)
そんな素直な所も、その媚びない仕草さえも愛おしくて仕方がない。
雅耶は、ゆっくりと移動すると夏樹が腰掛けている花壇に少し間を開けて並ぶように座った。
「俺はさ、お前が決めたことなら…。お前がずっと男のままでも傍に居られればそれで良いと思ってたんだ。勿論、お前がそれを許してくれれば…の話だけどな?」
「駄目なんて…いうワケないよ…」
夏樹は、膝の上に置いてあったマスコットを再び両手に大事そうに包み込むと、小さな声で呟いた。
それを横目に見ていた雅耶は、「そっか。サンキューな」と微笑みを浮かべた。
「でもさ、あのまま…ずっと『冬樹』のままで、お前が寂しい思いをし続けるのは俺もイヤだったし、何より、本当に冬樹が無事に生きていてくれて良かったよな?夏樹だって嬉しかっただろう?」
同意を求めると、夏樹も僅かに顔を上げてこちらを向くと「うん…」と、小さく頷いた。