プリズム!
「…これ?」
「うん。これを渡したくて寄ったんだ」
キョトンとしている夏樹の手の上に、それをそっと乗せると、雅耶はにっこりと笑って「それ、おみやげ」…と、笑顔を見せた。
「これ…貰っていいの?」
可愛い柄の入った小さな袋。
「そ。この前の遠足のお土産なんだ」
そこまで、聞いて。
以前、学校の年間行事の中に、そんな項目が書いてあったのを思い出す。
「ありがとう。…何処へ行ったんだっけ?…楽しかった?」
その袋を眺めながら、聞くと。
「野郎ばっかりの集団で、某テーマパークだぞ?微妙だろ?」
苦笑を浮かべながら、オーバーに雅耶が言った。
(でも、きっと…何だかんだで楽しかったんだろうな…)
いつも一緒に行動していたメンバーを思い出して、夏樹は遠い目になった。
トラブルは多々あったものの、今思えば成蘭の学校生活は楽しいことばかりで。
そして、何より気の良い友人達に恵まれていたと思う。
そんな中に『冬樹』として自分が居たのが、まるで嘘のように…。随分と昔のことのように感じた。
そんな夏樹の様子に気付いた雅耶は、穏やかな微笑みを浮かべると、ゆっくりと口を開いた。
「俺は、お前がいる時に一緒に行きたかったなー。そしたら、もっと楽しめたと思うのにさ」
「…雅耶…」
「ま、そんなこと言ってたらキリないんだろうけどな。お前が『夏樹』に戻れたことの方が大事だし…贅沢言ってちゃ駄目だよな?」
「うん。これを渡したくて寄ったんだ」
キョトンとしている夏樹の手の上に、それをそっと乗せると、雅耶はにっこりと笑って「それ、おみやげ」…と、笑顔を見せた。
「これ…貰っていいの?」
可愛い柄の入った小さな袋。
「そ。この前の遠足のお土産なんだ」
そこまで、聞いて。
以前、学校の年間行事の中に、そんな項目が書いてあったのを思い出す。
「ありがとう。…何処へ行ったんだっけ?…楽しかった?」
その袋を眺めながら、聞くと。
「野郎ばっかりの集団で、某テーマパークだぞ?微妙だろ?」
苦笑を浮かべながら、オーバーに雅耶が言った。
(でも、きっと…何だかんだで楽しかったんだろうな…)
いつも一緒に行動していたメンバーを思い出して、夏樹は遠い目になった。
トラブルは多々あったものの、今思えば成蘭の学校生活は楽しいことばかりで。
そして、何より気の良い友人達に恵まれていたと思う。
そんな中に『冬樹』として自分が居たのが、まるで嘘のように…。随分と昔のことのように感じた。
そんな夏樹の様子に気付いた雅耶は、穏やかな微笑みを浮かべると、ゆっくりと口を開いた。
「俺は、お前がいる時に一緒に行きたかったなー。そしたら、もっと楽しめたと思うのにさ」
「…雅耶…」
「ま、そんなこと言ってたらキリないんだろうけどな。お前が『夏樹』に戻れたことの方が大事だし…贅沢言ってちゃ駄目だよな?」