プリズム!
夏樹は寝返りを打つと、再び天井を見上げた。

先程よりも幾らか窓辺に陽が当りだし、カーテンの隙間から差し込む光が部屋の中をぼんやりと照らしていた。

今日も天気が良さそうだ。

(そろそろ起きるかな…)

頭の端ではそう思いながらも、なかなか布団から出られずにいる。

夏樹は横になったまま、大きく伸びをした。


(でも、愛美と長瀬がホントに付き合うことになったなんて、ちょっとビックリだな…)

昨夜、帰宅後。

夏樹は愛美と長瀬の二人から、それぞれ報告のメールを貰った。

愛美はちょっと照れ気味に。

長瀬の方は、テンション高めだったけれど『協力ありがとう!』と念を押すように何度も感謝の言葉が書いてあった。

そうして今日、早速初デートをするのだそうだ。

その行動の早さと長瀬の浮かれようには思わず笑ってしまうけど…。

(でも…二人が嬉しそうなのは、オレも嬉しい…)

心からそう思う、夏樹だった。


夏樹は意を決して起き上がると、まずはベッドから床に足を降ろし、痛めた方の足を確認する。

(まだ、少し腫れてるけど…大丈夫そうかな…)

様子を見ながらそっと立ち上がる。

若干痛みはあるが、昨日ほどではない。
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