プリズム!
「そんなの全然平気だよ。僕こそ、お休みの所突然お邪魔しちゃってごめんね?何か予定とかあったんじゃない?」

連絡も入れずに訪れたことを()びると、夏樹はゆっくりと首を振って微笑みを浮かべた。

「ううん、平気。もともと今日は家でゆっくりしてるつもりだったんだ」

そう言って冬樹の前にカフェオレの入ったカップを置いた。

「ふゆちゃん、これ好きだったよね?」

「あ…うん。ありがとう」

例の事件の解決後、僅かな日数ながらも手続き等の関係で一緒に行動を共にしていた期間中に、自分がよくカフェオレを飲んでいたことを覚えてくれていたようだ。

そんな小さな心遣いに、胸が温かくなる。

だが…。


(あれ…?)


何処か違和感を覚える。

「ねぇ、なっちゃん。もしかして…どこか調子悪い?」

何気ない動作の中に、ふと引っ掛かりを感じた。

そんな冬樹の言葉に、夏樹は驚いた表情を見せると。

「確かに足は痛めてるけど…。よく分かったね?もう痛みは引いてるし、普通に歩けてるつもりだったんだけど…」

そう言って、昨日足を痛めたことを話してくれた。

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