プリズム!
夏樹は眠っているのだろうか。室内は薄暗く静寂に包まれていた。
雅耶は緊張気味に、だが小さく独り言のように「お邪魔します」と律儀に呟くと家へと上がった。
玄関を上がると廊下に横付けされたような細いキッチンを抜けて、夏樹が眠る部屋へと入る。
部屋の中は、窓からの明かりで暗いという程ではなかった。
耳を澄ますと、僅かに夏樹の規則正しい寝息が聞こえてくる。
起こさないようにそっとベッドへと近寄ると、夏樹が僅かにこちら側を向いて眠っていた。
おそらく額を冷やしていたのであろう、濡れたタオルが横に落ちている。
「………」
雅耶はそれをそっと取り上げると、そのままベッド横へとしゃがみ込んで夏樹の寝顔を見つめた。
頬が僅かに赤く、普段よりも呼吸が早いのが判る。
そっと額へと手を伸ばす。
(まだ、かなり熱があるみたいだな…)
自分と比べなくても判る程、夏樹の額は熱かった。
(昨日、学校の裏庭で風に当たり過ぎたのかも知れない…)
額へと手を添えても起きそうもない夏樹の様子に、雅耶は僅かに緊張を解くと濡れタオルをすすぎにキッチンへと立った。
そうして、改めてその家の中を見渡す。
実は、雅耶はこの家に入るのは初めてである。
玄関先までは来たことがあるのだが、流石に独り暮らしの女の子の部屋へ上がるのは勇気がいるというか、何というか…。
雅耶は緊張気味に、だが小さく独り言のように「お邪魔します」と律儀に呟くと家へと上がった。
玄関を上がると廊下に横付けされたような細いキッチンを抜けて、夏樹が眠る部屋へと入る。
部屋の中は、窓からの明かりで暗いという程ではなかった。
耳を澄ますと、僅かに夏樹の規則正しい寝息が聞こえてくる。
起こさないようにそっとベッドへと近寄ると、夏樹が僅かにこちら側を向いて眠っていた。
おそらく額を冷やしていたのであろう、濡れたタオルが横に落ちている。
「………」
雅耶はそれをそっと取り上げると、そのままベッド横へとしゃがみ込んで夏樹の寝顔を見つめた。
頬が僅かに赤く、普段よりも呼吸が早いのが判る。
そっと額へと手を伸ばす。
(まだ、かなり熱があるみたいだな…)
自分と比べなくても判る程、夏樹の額は熱かった。
(昨日、学校の裏庭で風に当たり過ぎたのかも知れない…)
額へと手を添えても起きそうもない夏樹の様子に、雅耶は僅かに緊張を解くと濡れタオルをすすぎにキッチンへと立った。
そうして、改めてその家の中を見渡す。
実は、雅耶はこの家に入るのは初めてである。
玄関先までは来たことがあるのだが、流石に独り暮らしの女の子の部屋へ上がるのは勇気がいるというか、何というか…。