プリズム!
無事に『冬樹』から夏樹へと戻った後、夏樹は雅耶の両親の元へ挨拶に出向いた。
理由はどうであれ身を偽ってしまったことに、ずっと罪悪感を感じていたから。
『冬樹』の成長を心から喜び、夕食までご馳走してくれた、おじさんとおばさんの優しい心遣いを裏切ってしまったような気がして、ずっと苦しかった。
けれど、雅耶が前もって事情を説明してくれていたらしく、顔を出すや否や雅耶の母は涙を零して夏樹の無事を喜んでくれた。
冬樹と夏樹の二人が無事であったことを何よりも喜び、今後は自分達を親だと思い頼るようにと言ってくれたのだった。
夏樹は箱を抱えたまま、門をくぐるとその家を見上げた。
家族との思い出が沢山詰まった懐かしい家。
この広い家に、これからは一人で住むことになる。
だけど…。
もう、特別寂しさは感じなかった。
(隣には、雅耶がいてくれるし…)
それに優しい雅耶の両親もいる。近所には清香の家もあるのだ。
もう、ひとりじゃない。
何だか…この家が、とても温かい場所のように思えた。
理由はどうであれ身を偽ってしまったことに、ずっと罪悪感を感じていたから。
『冬樹』の成長を心から喜び、夕食までご馳走してくれた、おじさんとおばさんの優しい心遣いを裏切ってしまったような気がして、ずっと苦しかった。
けれど、雅耶が前もって事情を説明してくれていたらしく、顔を出すや否や雅耶の母は涙を零して夏樹の無事を喜んでくれた。
冬樹と夏樹の二人が無事であったことを何よりも喜び、今後は自分達を親だと思い頼るようにと言ってくれたのだった。
夏樹は箱を抱えたまま、門をくぐるとその家を見上げた。
家族との思い出が沢山詰まった懐かしい家。
この広い家に、これからは一人で住むことになる。
だけど…。
もう、特別寂しさは感じなかった。
(隣には、雅耶がいてくれるし…)
それに優しい雅耶の両親もいる。近所には清香の家もあるのだ。
もう、ひとりじゃない。
何だか…この家が、とても温かい場所のように思えた。