プリズム!
そんな二人を横目に、雅耶も感心したように口を開いた。
「へぇー。俺、清香姉が料理上手だなんて知らなかったよ。…あれ?でも、コレって…?」
雅耶が並んだ料理の中のある一皿を見て、何かを思い出すような素振りを見せる。
それに気付いた夏樹が、慌てて付け足すように言った。
「あ…このサンドウィッチは直純先生からの差し入れなんだ。今日のこと話したら、今朝わざわざ届けてくれて…。先生からの引っ越し祝いだって」
「…やっぱり。道理で見たことあると思った」
雅耶は納得しながらも、照れたような笑みを見せている夏樹を眺めながら、内心では複雑な気持ちが湧いてくる。
そのサンドウィッチは『Cafe & Bar ROCO』で出している物だ。
以前、まだ夏樹が『冬樹』であった頃、体調を崩していた冬樹にお見舞いとしてこのサンドウィッチを届けて欲しいと直純に言われて持たされたことがあった。
もともと雅耶が冬樹と会う約束をしていたことを知っていて、自分の分も多く入れてくれて一緒に食べるように勧められたのだけれど。
そういう先生の気遣いは、流石だなって思う。
だが、夏樹に関しては特別気に掛けているのが見て取れて、どうしても『面白くない』と思ってしまう自分がいるのだ。
(俺ってホント、小さいな…)
己の心の狭さには、正直呆れてしまう。
「へぇー。俺、清香姉が料理上手だなんて知らなかったよ。…あれ?でも、コレって…?」
雅耶が並んだ料理の中のある一皿を見て、何かを思い出すような素振りを見せる。
それに気付いた夏樹が、慌てて付け足すように言った。
「あ…このサンドウィッチは直純先生からの差し入れなんだ。今日のこと話したら、今朝わざわざ届けてくれて…。先生からの引っ越し祝いだって」
「…やっぱり。道理で見たことあると思った」
雅耶は納得しながらも、照れたような笑みを見せている夏樹を眺めながら、内心では複雑な気持ちが湧いてくる。
そのサンドウィッチは『Cafe & Bar ROCO』で出している物だ。
以前、まだ夏樹が『冬樹』であった頃、体調を崩していた冬樹にお見舞いとしてこのサンドウィッチを届けて欲しいと直純に言われて持たされたことがあった。
もともと雅耶が冬樹と会う約束をしていたことを知っていて、自分の分も多く入れてくれて一緒に食べるように勧められたのだけれど。
そういう先生の気遣いは、流石だなって思う。
だが、夏樹に関しては特別気に掛けているのが見て取れて、どうしても『面白くない』と思ってしまう自分がいるのだ。
(俺ってホント、小さいな…)
己の心の狭さには、正直呆れてしまう。