プリズム!
その水族館がある駅までは、幾つか電車を乗り継いで行くようだった。
流れる車窓からの景色を眺めながら、ふと思う。
「こんな風に雅耶と一緒に遠出するの、久し振りだよね」
「そうだよな。良く考えたら夏休みにあの崖に行った時以来…かもな?」
お父さん達の命日に、初めて事故の現場である『あの崖』へと花を手向けに出掛けたあの日。
一人では向かう勇気がなくて、雅耶に付き合って貰ったのだ。
その時、偶然にも力に再会したりして色々あったのだけれど…。
(あれは、まだ…私が『冬樹』だった時のことだ…)
真夏の日差しが燦々と照りつけている…暑い夏の日のことだった。
「そんなに昔のことじゃないのに、もう何年も前のことみたいだ…」
どんよりと広がる冬空を眺めながら呟いた夏樹の言葉に。
雅耶も同様に流れゆく景色に視線を移しながら「そうだな…」と呟いた。
水族館の最寄駅に着くと、かなりの人で溢れていた。
そこは水族館と遊園地が結合しているテーマパークで、クリスマス当日ということもあり、何よりカップルの多さが目につく感じだ。
「すごい人だね…」
こんな時期に、こんな場所へ出掛けたこともない夏樹は、その人の多さに目を見張った。
流れる車窓からの景色を眺めながら、ふと思う。
「こんな風に雅耶と一緒に遠出するの、久し振りだよね」
「そうだよな。良く考えたら夏休みにあの崖に行った時以来…かもな?」
お父さん達の命日に、初めて事故の現場である『あの崖』へと花を手向けに出掛けたあの日。
一人では向かう勇気がなくて、雅耶に付き合って貰ったのだ。
その時、偶然にも力に再会したりして色々あったのだけれど…。
(あれは、まだ…私が『冬樹』だった時のことだ…)
真夏の日差しが燦々と照りつけている…暑い夏の日のことだった。
「そんなに昔のことじゃないのに、もう何年も前のことみたいだ…」
どんよりと広がる冬空を眺めながら呟いた夏樹の言葉に。
雅耶も同様に流れゆく景色に視線を移しながら「そうだな…」と呟いた。
水族館の最寄駅に着くと、かなりの人で溢れていた。
そこは水族館と遊園地が結合しているテーマパークで、クリスマス当日ということもあり、何よりカップルの多さが目につく感じだ。
「すごい人だね…」
こんな時期に、こんな場所へ出掛けたこともない夏樹は、その人の多さに目を見張った。