プリズム!
「あ…あの…?」

周囲の友人達は、ただただ先輩達のその変わりように目を丸くしている。

「何か武道とかの経験あるのっ?興味は?経験なくても全然大歓迎よっ?どうかしらっ?」

(まく)し立てるように迫ってくるその先輩に、タジタジになっていた時だった。


「抜け駆けは許さないよっ!!」


食堂の入口にまた別の集団が現れた。

その集団も、慌てたように夏樹達が座るテーブルへと駆け寄って来ると。

「柔道部の方が楽しいわよっ!来ないっ?」

「駄目よ、運動部なんて勿体ないわっ!野崎さんはそのボーイッシュな容姿を生かして是非演劇部に入って貰わないとっ!」

皆部活の勧誘に訪れた先輩達なのだろう。

その他の部活も交えて、何だか勝手に周囲で争奪戦のようになってしまっている。


(な…なんか…。何処かで見たことあるような光景でイヤだなー)

やはり姉妹校とだけあって、部員勧誘のノリも同じだったりするのだろうか。

以前、成蘭高校で散々な目に遭わされた『新入生勧誘イベント』を思い出して夏樹は小さく溜息をついた。
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