プリズム!
友人達とゆっくり食事をしたいのに、何やら騒ぎに巻き込まれてしまっているこの状況に、夏樹は椅子を後ろへ引くとゆっくりと立ち上がった。

上級生集団のパワフルな様子に、緊張して落ち着かないでいる友人達に何より申し訳ないと思う。

それに、すっかり周囲の注目を浴びてしまっていた。

(目立たず静かに穏やかな学校生活を送ろうとしているのに…)

ハッキリ言って迷惑なこと、この上ない。


同じテーブルにいた友人達は、突然立ち上がった夏樹の様子に驚きの表情を向けていたが、夏樹はそのまま静かに口を開いた。

「あの、お話は後にして貰えませんか?食事をしている他の方の迷惑にもなりますので…」

とりあえず波風を立てないように丁寧な口調で意見を述べる。

だが、各部の先輩集団は、既に夏樹の声も届かない程に勝手に盛り上がり、競い合っている感じだ。


(おいおい…。少しは人の話を聞けよ。っていうか、女子の集団も男とそう変わらないんだな…)


少しだけ引き気味になりながらも、怒鳴ろうか、どうしようか迷っていた頃。

横から突然声が掛かった。



「はいっ!そこまでっ!!」

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