プリズム!
四人皆が席に着いて、各自で「いただきます」と食事を始めた時、不意に桜が口を開いた。

「そう言えばさ、愛美が会いたいって言ってた彼も成蘭だったよね?」

突然話を振られ、愛美は慌てて頷いた。

「う、うんっ。そうだけど…」

「それならさ、夏樹の彼に聞いてみれば少しはその人のことも探し(やす)いかも知れないよね?まぁ学年が違かったりすると難しいのかも知れないけどさ」

スパゲティをフォークでくるくる絡めながら桜が言った。

「そうか!愛美は学祭でその彼探しが出来るんじゃん」

悠里も、今それに気付いたというように声を上げた。

「うん。見つけられると良いんだけど…」

自信無さ気な愛美に、夏樹も口を開いた。

「まぁ確かに、成蘭は生徒数が多いし…偶然を期待して探すのは大変かも知れないけど、特徴とか教えて貰えれば…」

そこまで言うと、

「えっ?そんなに生徒数多いの?夏樹、詳しいんだね」

だなんて言葉が返って来て、夏樹は内心焦る。


(流石に、自分が成蘭の生徒だったから…なんて言えない…)


「ははは…まぁ…」

そこは、(かわ)いた笑顔で流す。
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