プリズム!
「…夏樹?どうかした?」


黙り込んでいる夏樹に気付いた悠里が、声を掛けてきた。

思わず考えに(ふけ)ってしまっていたことに気付き、夏樹は慌てて「ううん、何でもないよっ」…と笑った。


愛美が相手にどんな気持ちを持っているかは別として、『もう一度会いたい』って希望は、友人として出来れば叶えてあげたいと思う。

(成蘭の学生だっていうなら、少しは役に立てるかも知れないし…)


そこで、夏樹はずっと聞きたいと思っていたことを口にした。

「ね、愛美…?その人ってどんな人なの?」

すると、悠里と桜も突然身を乗り出して来た。

「そうそう!それっそれっ!聞きたかったんだよねっ!」

「詳しく教えなさいよー」

三人に注目され、愛美は苦笑を浮かべた。

「うーん…。どんなって…」

照れてるというよりは、少し困った表情だ。

「やっぱり、もう一度会いたいというからにはカッコ良かったんじゃないの?」

「背は高かった?誰かに似てる?」

悠里と桜の勢いに押され気味の愛美は、一生懸命その時のことを思い出そうとしているようだった。
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